ヨガの行者など世界のさまざまな宗教には膨大な聖典
が焼失してもいいように、記憶法が存在しました。
現代では、電子化など記録媒体が高度化して世界中に散ら
ばっているので、たとえ一か所の蔵書が焼失したとしても
聖典の内容が消えてしまうことはありませんので、それほ
ど重きをおかれなくなっています。
ブルガリアの心理学者ロザノフ博士は、ヨガ行者の記憶法
の研究をつづけ現代人にもできるようにアレンジを重ね
「スーパーラーニング」という加速学習法を開発しました。
「スーパーラーニング」では導入部の心身のリラックスか
ら学習が終了するまで、BGMとしてテンポ(一分間60拍)
程度の音楽を流します。
音楽のジャンルはバロック音楽でした。ロザノフ博士はベ
ートーベン・シューマンなどのロマン派などの音楽も試し
ましたが、失敗に終わったそうです。
原因は不明ですがバロック音楽の持つ、非日常的、宗教的
荘厳響きが聴く人の意識を沈静させ、軽い変性意識状態(催
眠状態)に導くものと考えられます。
ロマン派の音楽は人間の感情を主題にした音楽が多く、逆
に平常心を保てなくなるのかもしれません。
また、歌詞のあるポップスなどの音楽も、歌詞に意識が集中
するので加速学習には向かないようです。
さらに一分間60拍のリズムは1秒1回で、時計の秒針と
同じであり、一般人の安静時の脈拍と同じです。
(1分間40拍のアスリートもいます)
このリズムに心拍数が徐々にシンクロして、心身をリラック
ス状態に導き、脳波をα波にします。
さらに、バロックの名曲には1/fゆらぎをもつものが多いとい
う特徴があります。
一分間60拍のリズムのバロック音楽は、1/fゆらぎと宗教的
な荘厳性で人の脳波をα波優勢に導き脳を鍛えるということに
なります。
これらの特徴を持つバロックの代表的な曲にバッハの「G線上
のアリア」などがあります。
学習する時やオフィス、会議室でのBGMにしようすれば集中力
が増し、能率があがったり良い発想が生まれるかもしれません。